2011年05月14日

小さな本屋が大型書店に対抗するには何をしたら良いだろう

・探して出てった一時間
 数日前、ある本屋さんに入りました。そこは周辺でチェーン展開をしている書店の本店で、規模は大型書店にしてはやや小さい、といったところでしょうか。
 それでこの本屋さん、以前入った時、おおよそ半年ほど前でしょうか。その時よりも売り場が縮小されていました。品揃えも悪くなっているように感じました。私は目当ての本があってそのお店に入ったのですが、残念ながら置かれていませんでした。
 私にとって、本屋に行って目当ての本が無いというのは割とよくあることで、この時も普段と同じように「無いものはしょうがない。取り寄せるのも面倒だし、ネット通販で買うか」と思ったのですが、同時に、こんな考えも浮かんできました。
 売れなくなってるのかなあ、この本屋。
 このままいくと確実に潰れる、とまでは言い切れませんが、近頃車で一時間ほど行ったところに非常に規模の大きい他社の書店が新しくできたこともあって、厳しい状況になりつつあるとは言えそうです。より小さな個人経営のお店にとっては、なおさら厳しいでしょう。
 どうにか生き残る方策は無いものか。
 そう考えている時、あるツイートが目に留まりました。
 ライブハウス自体のお客さんって、少ない、もしくはいない。目当ての演者を見に来るお客さんだけだ。そうすると、極論、他の演者のステージは観たくない。下手したら苦痛になるだけだ。
https://twitter.com/#!/nodo69/status/67565968435580928より引用。
 
 偶然、好みのアーティスト、衝撃的なアーティストに出会えることもある。でも、所詮偶然。必ず出会えるという保証がなければ積極的に行きたいと思わないだろう。だから、目当ての演者だけ観て帰ってしまうケースは多い。そこはね、悲しいけど否定出来ない。
https://twitter.com/#!/nodo69/status/67566804549107713より引用。
 すぐに思いました。
 この考え方、応用できるんじゃないのか。
  
・小さいなりの魅力
 まず言いたいことは。欲しい本を置いていない本屋に失望しても、あるいは多種多様な本を取り置けないことを嘆いても、どうにもならないということです。スペースの大きさという物理的な問題がある以上、取り置く本は取捨選択せざるを得ません。
 また冒頭で私は品揃えが悪くなったと言いましたが、実は品揃えが悪くなる、言い換えれば扱う本の種類が減ることになりますが、これ自体にはそれほど悪い印象を持っていません。と言うのも冒頭にあげた本屋さんでは、扱う本の種類を少なくした代わりに一つひとつの本を手にとりやすく、比較しやすく置いていたからです。
 つまり、扱う本の種類が少なくても、そこには少ないなりのメリットがあると言えそうです。そのメリットを武器にどこまで有効な生き残り戦略を立てられるかまでは分かりません。しかしただただ規模が小さいことにため息をつくには、まだ早い気がします。
 もちろん、取り扱う本の種類を少なくすれば、目当ての本を探しに来てみたけど無くてそのまま帰ってしまうといった私のような客は増えるでしょう。すると単純に考えて、売り上げは減ってしまいます。
 そらみろ、やっぱりたくさんの本を置ける、大型書店の方がより客を集められるじゃないか。小さな書店が生き残るなんて無理なんじゃないの。
 そうツッコミを入れた方、もう少し待って下さい。
 そして、私が冒頭でこれだと言った二つのツイートを思い出して下さい。これこれです。
 
・ライブハウスの客と本屋の客はおそらく似ている
 先の二つのツイートをまとめますと、おおよそこのようなものになると思います。
 ライブハウスに入る人は、そこにいる目当てのアーティストを見に来ているのであって、ライブハウスに入ることそのものが目的ではない。彼らは目当てでないアーティストにそれほど興味を抱かなければ、目当てでないアーティストとの出会いに期待してもいない。
 ここで、ライブハウスを本屋に、アーティストを本に読み替えるとどうなるでしょう。
 本屋の客は、目当ての本があって、それを探しに本屋に入ります。目当てでない本には目もくれません。彼らの目的は目当ての本を買うことであって、彼らは本の客と言えます。本屋に入ることや、偶然自分好みの本に出会えることに、期待していません。
 読み替え自体の是非については議論を省きますが、それほど無理な読み替えではないでしょう。
 繰り返して、まとめます。
 ライブハウスに入る人は、そこにいる目当てのアーティストの客です。
 本屋に入る人は、そこに置いてある目当ての本の客です。
 そしてどちらとも、目当てでないものが自分に合うとは思っていません。
 本屋の客は目当ての本を買いに来ますから、それなら当然、多種多様な本を取りそろえ、様々な人にとっての目当ての本が置いてある大型書店の方に分があります。
 さらに言えば、多くの本をそろえた大型書店の方が、目当てでなくかつ自分に合うものが置いてある可能性も高そうです。
 さて困りました。
 そらみろ、やっぱりたくさんの本を置ける、大型書店の方がより客を集められるじゃないか。小さな書店が生き残るなんて無理なんじゃないの。
 このツッコミが、覆せなくなってしまいました。
 どこか良い切り口はないものでしょうか。
 というわけで、手を考えてみました。
 
・本屋の客を持つ本屋をつくる
 この話を始める前に謝っておきます。すみません。私にはこれしか思いつきませんでした。しかも具体化できていません。どこまで有効に働くかわかりません。
 話を戻します。この節のタイトルが、私の考えた切り口です。
 つまり、今本屋に入っている人が目当ての本の客なら、それ以外の人を呼び込んでしまおう、というわけです。
 目当てでない本を、わざわざ買う人なんているのか。そう思った方もおられるでしょう。
 そこでうかがいたいのですが、衝動買いをした経験はありませんか。もともと買うつもりは無かったけれど、見てみたら何となく気に入って、そのままレジに持っていった、ということはありませんでしたか。
 あまり自慢になりませんが、私には、ことに本に関してはたびたびこうしたことがあります。この本他では見ないなと思い、ページをめくりこれはと思い即購入。こうしたことをする人は、私だけではないはずです。
 こうした本との偶然の出会いを、非常に高い確率で起こせる本屋があるとしたら、どうでしょう。大型書店に対抗できるのではないでしょうか。
 では、偶然の出会いをどのようにして高確率で起こすのか。ここで思い当たるのは往来堂書店の文脈棚ですが、この手法がそれほど広まっていないように見えるところから考えて、コストなりどこかに難点があるのでしょう。
 
・まとめ
 私は、本屋に入る人はその人が目当てにしている本の客であって、本屋そのものの客ではない、ということを述べました。そして、そうした本の客を集めるという点では、小規模な本屋よりも、大型書店の方に分がありそうだとお話しました。
 小規模な本屋が大型書店に対抗するには、どうしたら良いのか。これについては、偶然の出会いを高確率で起こそうと述べるにとどめ、具体化には至りませんでした。
 この具体化についてはここを読んでくださった方に考えていただきたいと思います。

・終わりに
 最後に、謝辞を。
 この記事を読んでくださった方へ。ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
 また、この記事を書くきっかけを与えてくださった喉さんに深く感謝いたします。
ラベル:思いつき
posted by ゆーぱち at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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